まずは今のスランプが、貴方の長いクラリネット人生におけるわずかな瞬間となることを祈ります。
ステップアップのためにこうした状況が訪れることも珍しくなく、僕はスランプに陥るとそれを脱した時の輝ける自分をイメージしてひたすら地道なトレーニングにつとめてきました。もっともそういった状態で試験を受けなければならないのもつらいでしょうが、これがプロになると、つらくても毎晩笑顔でお客さんの前に立たなきゃなんないんですよ。僕のばあい、何にも悩みが無いヤツよりもひとつ精神修養できてトクした、とでも思うことにしてます。
僕がつとめる洗足学園音大のスクーリングの最終日に原朋直氏(tp)がこんなことを言ってました。「皆さんこれからジャズを勉強していくとツラいことばかりになっていくかもしれませんが、そんな時今日のこと・・・何の迷いも無くセッションを楽しんでた日々を思い出してみてください」。・・・何と愛に満ちたあたたかい言葉でしょう!
音楽を続けていくにはこういった感覚、大切だと思います。貴方も、初めてクラリネットを手にした頃のこと、楽器ケースを開いた時のあの新鮮な匂いとか・・・を思い出して、もう一度クラリネットを吹ける喜びにひたってみましょう。
貴方のやり方が間違ってなければ(こればかりは実際に貴方の音を聞かなければ何とも言えませんが)、時が解決してくれるはずです。
(2006/01/20)
【谷口英治】