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  今年から大学のジャズサークルに入ったジャズ初心者です。
クラリネットは7年目なのですが、ずっと吹奏楽畑の人間だった為、アドリブができ ずもっぱら耳コピに頼っています。何かアドリブを学ぶのに参考になるものがあったら、教えていただけませんか?
クラリネットの小技(?)をグリッサンドとフラッターしかできないのですが、グロトーンはどう練習したらいいんでしょうか?




 私はアドリブをよく英会話あるいは自転車に乗れるようになることに例えます。つまり周囲から方法論を助言することはできても結局は本人が自力でコツをつかんでいくしかないのです。ですから出版されている教材は大いに役立ちますが、それをやったからといってアドリブができるようにはなりません。逆にそういうものを一切使わずにアドリブができるようになる人はたくさんいます。いちばんのヒントになるのは周りの人たちがどうやってアドリブできるようになったかを聞くことではないでしょうか。それぞれ少しずつ違ったやり方で工夫を重ねているはずです。

 私の場合やはり他のプレイヤーのコピーでした。慣れないうちはコピーにはとにかく時間がかかるので、つい「こんなことに時間を費やしてよいものだろうか、もっとうまい方法があるんじゃなかろうか」なんて考えてしまいます。でもそこを我慢して根気強く頑張って下さい。今まで5曲しかコピーしたことがなかったら10曲、10曲やったら20曲というように徹底的にコピーにのめりこむ時期は必要です。コピーを繰り返しているうちにそのスピードが飛躍的に速くなるはずです。それはつまりジャズのサウンドに対する「耳」が成長しているということで、そういう「耳」無しには良いアドリブは望めません。

 私はコピーしたものはきちっと楽譜にしてファイルしました。あとで見直したり分析する時に役立つからです。そしてできるだけそのつど暗譜して(どんどん忘れていってもいいんです)、ホンモノの演奏にぴったり合わせて(ピッチ、タイミング、ニュアンス、アーティキュレーションも)演奏できるようにします。これを繰り返していけば必ず何かが見えてくるはずです。初めのうちはできるだけオーソドックスなスタイルの(採譜しやすそうな)プレイヤーを一人か二人決めて取り組むとコピーのコツがつかみやすいかもしれません。

 それと並行して何も出来ない段階から「アドリブ」で演奏する習慣を身につけること。初めからそこそこウマくやってやろうなんて格好つける人より、ボロボロになりながらもセッションに食らいついていく人の方がはるかに上達がはやいです。なにしろアドリブとは0(ゼロ)の状態のスペースに自力で音をうめてゆく作業ですから、早いうちからそれを習慣づけることが大切です。カタコトのでも積極的にコミニュケーションをとろうとする人の方が外国語会話の上達がはやいのと同じです。
 

 
 さてもうひとつのご質問、グロートーンは楽器を吹きながら声を出します。楽器を吹きながら咽の奥の方で低い声で「・ー」と唸る感じです。この時どうしても通常楽器を吹く時にくらべ咽や口の中が開き過ぎた状態になるのでピッチが下がりそうになります。そこを何とか楽器を吹く状態と声を出す状態のバランスをとりながら演奏することになります。フラッターができるということですが、その時のピッチのキープのしかたに近いです。初めはクラリーノ音域のミ,ファ,ソあたりでトライするとつかみやすいかもしれません。

 ただしこういう「小技」(私は「飛び道具」と言ったりする)はセンス良く用いないと逆効果になります。こういう特殊奏法を使うからジャズ・・・というわけではないのです。そのあたりのセンスもたくさんジャズを聴いてコピーするうちに自然に身についてきますよ。


【谷口英治】


 





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