<Q>
 「スイング」と「シャッフル」の違い、
 また、「セッション」と「ジャム」の違いについて教えて下さい。




 こうした用語はジャンルや地域、国などによって、微妙に使い方のニュアンスが異なってたりします。ですからあくまでも私の周辺(日本でオーソドックスなジャズを演奏する人々)では・・・という話です。
 
 まず「スイング」というのは非常に幅広い意味を持つ言葉なので、そこからお話します。
 
 最も広い意味としては「音楽の躍動感」。音楽が躍動感を持った良い状態を評価する表現として「スイングしてる」と言ったりします。これは8分音符がバウンスしない音楽に対しても使えます。「あのドラマーの8ビートのスイング感は絶品だぜ」とか。私個人では、友人のクラシックのリサイタルで、あんまり演奏が素晴らしかったので、終演後楽屋に駆けつけ思わず「スイングしてたよ!」。
 
 次にジャズに代表される8分音符がバウンスする状態。つまりリズム形態を表す音楽用語としての「スイング」。ご質問の「スイング」はおそらくこれでしょう。 
 
 もうひとつジャンルとしての「スイング」。いわゆるスイングジャズです。1920〜30年代に全盛期を迎えたすべてのジャズの基礎となるスタイルです。私の専門分野でもあります。
 
 それに対して「シャッフル」というのはリズム名。つまり「スイング」の二つめの用法に対応する用語です。ジャズと同様8分音符がバウンスしますが、ジャズのビートよりもさらに2拍目4拍目を強調して演奏します。どちらかと言うとジャズ以外の音楽(ロックンロールやその他のポピュラー音楽)で用いるリズムです。
 
 つまり「シャッフルがスイングしてる」(この場合の「スイング」は一番目の意味ね)とは言っても「スイングがシャッフルしてる」はNG。


 さて二つめのご質問「セッション」と「ジャム」ですが、これは明白。「セッション」は複数のミュージシャンが一緒に演奏すること、その<行為>を表す言葉。一方「ジャム」は複数のミュージシャンが一緒に演奏して盛り上がっている<状態>を表す言葉。つまり常識的には「セッションをしようぜ!」とは言っても「ジャムをしようぜ!」とは言わないのです。
 
 「ジャム」とはまさに食べるジャムのことで、鍋にぶちこんでかき混ぜて濃厚に煮詰まっていくイメージだとか。つまり「ジャム・セッション」なんてのは要するにセッションなんだけど「盛り上がってる」「白熱の」などのニュアンスが付加されているわけです。
 
 ややこしいのは、この「ジャム・セッション」の略語として「ジャム」を使う場合もあるようなのです。音楽雑誌なんかに「最高のジャムを展開した・・・」とか、あるいは「ちょっとジャムる?」なんて造語(今どきこんなこと言うヤツいるかなぁ?)も存在するそうです。
 でもだいたい感じはつかめたでしょ。

【谷口英治】


 




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