<Q> はじめまして。私は社会人のビッグバンドでクラリネットを担当しているもの です(演奏歴3年) 先日クラシックの先生のセミナー があり、私はB40(バンドレン)に2・1/2(バンドレン)のリードをつけてい ました(楽器はR13)。 その先生が私の楽器を手に取り吹いてみたところ、「リードが柔らかすぎて息が通らない」「リードが薄すぎる」ということでした。 B40に2・1/2(バンドレン)のリードはそんなに悪い組み合わせではないと思いますが。実際、私が練習やコンサートで前述の組み合わせで吹いても評判は悪く ないので、何が良くないのか解かりません。その先生の推奨する組み合わせ(しかもその先生の選定したマウスピース)で数ヶ月ほど基本練習を続けてみましたが、かえって楽器が鳴りにくくなってしまった感じです(そのリードは私にとっては物凄く硬く感じる)。 今は元の組み合わせに戻して吹いており幾分おちついています。 ただ、「良い音と好きな音は違う」と言われていたので、気になっています。奏法に問題があるとしたら何がいけないのでしょうか?自分は薄い(柔らかい)リードには それに合わせた奏法があると思っていたのですが、谷口先生はどのように思われますか? (広島県福山市 35歳 男性)
私自身やはりその状況を見てみないことにはなんとも言えません。B40に2・1/2・・・常識的なしかけの範疇と言えないことはないと思います(確かに3〜3・1/2を合わせるのが一般的かも)。 しかけの好みはクラシックの世界でも「絶対これ」というような組み合せはなく、つねに論争になっているようです。音大生が先生が変わったとたん、前の先生が推奨したしかけと奏法をボロクソに言われたなんて話はよく耳にします。しかし逆に考えれば、出している音に問題がなければ何も言われないのではないでしょうか。極端なことを言えば、かなり妙なしかけと奏法であっても、素晴らしい演奏が展開できていれば誰も文句のつけようがないわけです。つまりその先生(ちゃんとした演奏家の方であれば)のご意見も、何か問題点を感じた上でのアドバイスである可能性も高いのです。 今すぐには納得できなくても、「何であんなアドバイスをされたんだろう」ぐらいの感じで心のすみっこにでも留めておくといいかもしれません。時間がたって振り返ってみるとものすごく重要な指摘だった!と気づくかもしれません。私なんかしょっちゅうそんな事ばかりなんです。 「良い音と好きな音は違う」・・・う〜ん、これも難しい問題なんですよね。おそらくこの場合の「良い音」とは、クラリネットという道具を使いこなすのに最低限必要な条件を満たしているかどうかという意味での「音」ではないでしょうか。主に発音(クラシックの人はとくに発音の質にはきびしい)のことだと思います。この発音の話をすると長くなるのでご自分で「よい発音とは」と考えてみて下さい。私自身ものすごく悩んでいるポイントです。 で、「好きな音」を追い求めるのは、それからだよ・・・ということなのでは。何しろ音色が最大の魅力であるクラリネットを手にした以上、理想の音を追求する、そんなロマンは絶対に忘れないでいたいですよね。「良い音」のために「好きな音」を捨てなければならないというのもつまらない話です。またジャズの方がクラシックよりも「好きな音」にとことんこだわる意味が強いと私は思っています。だからと言って「好きな音」の方向だけに流れていくのは安易な気がしませんか。要は「良い音」と「好きな音」の距離を少しでも近づけることです。そして自信をもって気持ちよくプレイできるようになる日を目指して努力するしかないですね、お互い。 そしてその努力は死ぬまで続くのですよ、きっと。あーなんて幸せなことでしょう。とにかく先は長いのでアタマをやわらかく、いろんな情報にアンテナを張って取り入れられるものから自分のものにしていく、そんな姿勢が向上する秘けつだと・・・私自身にも言い聞かせている今日この頃です。 【谷口英治】
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